マイナンバー制度が一般企業に与える影響や実務上で必要となる対応について、解説いたします。

 

民間企業が受ける影響

民間企業が影響を受ける可能性のある業務の中で、もっとも代表的なものとは、人事や給与計算業務でしょう。

 

給与計算業務では、税務署や市区町村、年金事務所などの関係機関に提出するための法定調書や、各種届などについてマイナンバーの新しい追記が必要になるでしょう。

給与計算業務はどこの企業も行っていることですので、今後対策に追われるところが多いと思われます。

また、給与計算業務のほかにも、健康保険や厚生年金保険、雇用保険においての被保険者資格の取得や喪失などといった届け出を行う際の手続きに関しても、マイナンバーを記載するようになるでしょう。

その他、外部の専門家、例えばですが、弁護士や税理士、社会保険労務士などに対して支払う報酬や、株式の配当や譲渡による対価を支払う場合に支払調書などを作る場合の事務手続きに関してもマイナンバーの対象業務となりえます。

 

法廷調書について

なお、法定調書というものは国税に関する書類で、全部で60種類近くあり、このうち民間企業が扱う法定調書はその一部です。

これらの法定調書は、どれもマイナンバーを記入して税務署に提出する必要があります。

 

中でも、金融機関が取引している顧客に向けて発行している支払調書には、莫大な枚数が必要となるものもあり、一般の事業会社に比べて事務処理する際の手間や、処理のミスが発生した場合の業務に与える影響の大きさを考えますと、マイナンバーの利用が始まるのを受け、早期に準備する必要があります。