休業(震災対応)

今回の被災により、企業が大幅な事業の休止などが予想されるため、

被災時に対応すべく労働基準としてのまとめさせていただきます

(1)休業のとり方

今回の被災により、事業の休止などを余儀なくされた場合において、

労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益を 回避するように努力することが大切であるとともに、

休業を余儀なくされた場合の支援策も活用し、労働者の保護を 図る必要があります

 

(2)休業する場合の助成金

雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金は、休業等を実施することにより 労働者の雇用の維持を図った事業主に休業手当等の一部を助成するものです。

 

今回の地震に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合は、

雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金が利用できます。

 

「経済上の理由」の具体的な例としては、交通手段の途絶により原材料の入手や製品の搬出ができない、

損壊した設備等の早期の修復が不可能である、等のほか、 計画停電の実施を受けて事業活動が縮小した場合も助成対象になります。

 

本助成金は、労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業に該当するか 否かにかかわらず、事業主が休業についての手当を支払う場合には助成対象となり得ます。

 

このことは、計画停電に伴う休業であっても同様です。

 

(3)休業時の賃金

労働契約や労働協約、就業規則、労使慣行に基づき使用者の責に帰すべき休業のみならず、

天災地変等の不可抗力による休業について休業中の時間について従来支払われてきた賃金、手当等を、 今般の計画停電に伴う休業については支払わないとすることは、労働条件の不利益変更に該当します。

 

このため、労働者との合意など、労働契約や労働協約、就業規則等のそれぞれについての 適法な変更手続をとらずに、賃金、手当等の取扱いを変更する(支払わないこととする)ことはできません。

 

(4)休業にあたるかどうか

今回の地震により、事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていない場合には、 原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当すると考えられます。

 

ただし、休業について、

①その原因が事業の外部より発生した事故であること、

②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの

2つの要件を満たす場合には、例外的に「使用者の責に帰すべき事由」による休業には

該当しないと考えられます。